NanoVNA-F V2 を使ってみて

NanoVNA-F V2 を使ってみて

以前から NanoVNA 初期Vr を使っていました。しかし1.2GHzでの波形の汚さや使用時間の短さ等、泣き泣き工夫をしての使用でしたが、とうとう寿命が来たようで壊れてしまいました。

今まで頑張って働いてくれました。ジャンクBoxで安らかにお休みください。

頑張ったが、ついに昇天

アンテナ調整中にNanoVNAを落下、液晶が付かない!!
LCDのフレキ基板のフィルムが切断してしまいました。

不満がありながらも頑張って使ってました

以前から1GHz以上のトレースがお見せするような波形でなく、こんな感じでイメージ波形でした
ギザギザトレースで見難い
校正時の画面も、ぼんやりです。

遂に!3GHz。

念願のWiFiやBT(ブルー・ツース)などの2.4GHz帯の電波の素性が明らかにされるか?

Open‼ なんか付属品が増えたような?

        画面が大きい。年寄りには優しい大きさです

早速にM/SMA変換コネクターで校正してアンテナのSWR測定

右から Short Cap  M/SMA変換コネクター 50ΩLoad
M接戦のShort Capと 50ΩLoad製作は「NanoVNAは正確か?」を参照してください。

早速 校正開始

手順に従い Open(M/SMAコネクターのみ)→Short(M/SMAコネクター+Short Cup)→Load50Ω(M/SMAコネクター+Load50Ω)
Open Check  マーカーは ∞Ω
Short Check  マーカーは 0Ω
Load Check マーカーはセンター 50Ωです

 1.2GHzで再校正し 50Ωのマーカーを見てみましょう

綺麗。マーカーはスポットになっています

早速アンテナ調整

以前ジャンク市で入手の ダイアモンド製 DL-770H デァルバンドのモ-ビルホイップアンテナ (コイル欠品のジャンク)

 

1mmφのエナメル線を3Tほどコイルを巻き無理やり半田付けです。

NanoVNAでTuneUPの結果

144MHzでCAL設定後のSWR

やったー こんなもんでしょう SWRは145MHzで1:1.08です

続いて430MHzでCAL設定後SWR測定

ループがちょっと大きいですね。SWRは1:1.34 430MHzは帯域が広いので、この程度で妥協しましょう。

ゴミもNanoVNAで復活です。

手作りの144MHz 5EL×2のHB9CVはどんな感じかな?

Good‼ですね。

ほぼ中央 SWRは 1:1.08 です マーカーは 145.3MHzです

430MHzの移動用の5ELは?

こんなもんでしょう

帯域は広いのですが共振周波数がちょっと高めですね SWRは 1:1.3 位です

 

問題は12GHzのSWR

(ノ∀`)アチャー

作り直しの必要性あり度重なる移動運用で給電部にトラブル発生か?

SWRが1:2.32です。給電インピーダンスが23Ω-10.4pです。ループの兆しが見えますので再調整でTuneUP出来るでしょう。
1.295GHzのマーカーは、Uバラン補正後のポイントがこの位置に来る場合。折り返しFDダイポールの給電点インピーダンスが200Ωとした場合。Uバランの長さは1/2λ=30,000÷1.295GHz×(0.5×0.66)=76mmになります。(芯線被覆がポリエステルの場合、比誘電率2.26ですと遅延率は「0.66」となります)そのぶん同軸ケーブルを短くしなければなりません0.66は短縮率ともいわれます。(ケーブルにより若干の差がある)

実際のUバランの長さを測ったら67mmでした。何を間違ったんだろう?

Uバランは0.328λです(76÷231.66)スミスチャートで検証すると0.320λでマッチングが取れそうです。ケーブルの短縮率が0.65でしょうか?
1.295GHzのアンテナのスミスチャート

スミスチャートの使い方は Nano VNA 活用 (Mr.Smithを使う )

 

現在のアンテナの状態  0スタート200ΩのFDダイポールから67mmのUバラン経由後 2 の41.483m+j7.349mS≒23Ω

改善予定のアンテナ   3スタート200ΩのFDダイポールから76mmのUバラン経由後    5 の20.369m+j14.665uS≒50Ω

Uバランで平衡//不平衡のマッチングを1/2λ(0.323λ=0.5×0.66)で整合をとると整合の帯域幅が広く取れません。思いっきり容量領域でとってみては?と試行錯誤


0.33λのUバランでは中心周波数にジャスㇳイン‼しないと帯域内で安定したSWRが取れませんね。

これでSWRは下がるはずですが・・・・・Uバランを 1/2λ取り付けると同調する帯域が狭くなるので1/4のバランではどうか?

1.76λで整合をとると帯域は少しカバーできました。

思いっきりFD(フォールデッド ダイポール)からシンプルなダィポールアンテナに

変更した輻射器(ラジェター)加工

エレメントホルダー加工

エレメントブーム(VE-12J2)に輻射器ホルダー(VP13-φ18)をアクリル板と共締め固定(2mmのビス2か所、裏側ワッシャ忘れずに)

ラジェーター加工

ラジェーター(輻射器)の全長は101mm  左右のエレメントギャップ(給電部 )は5mm以内としてください
ラジェーターの取付けは輻射器ホルダー(VP13-φ18)に固定。(2mmのビス各2個所 VP13挟み込みビスナット止め)
Uバランと給電同軸は丸端子✛ワッシャでエレメントだけに取り付け(2mmのビス)

エレメント間隔

輻射器と反射器の間隔は38mm 輻射器と導波器の間隔は25mmです

Uバランは短めの0.133λ(3.08cm)です

50Ω付近で多重にループしています

NanoVNAの測定帯域は同じ(1.245GHz~1.345GHz)ですがインピーダンスを大きく動かさないので広帯域です。

コイルの補正なしでUバランのみで50Ωにマッチング取れているようです(設計では26nH追加?)

NanoVNAのSWRのレンジを1~10を0~1.9に変更。全帯域1:1.12以下。整合点が容量エリアに若干ずれていますがスミスチャートは小さなループが幾重にもトレースしていますのでインダクターによる補正はやめました。帯域内(スパン設定内)ではスミスチャートが50Ω付近から外れません

おなじみのSWR計では?

SWRメーターはNanoVNAと合致していますね

正確にアンテナ整合をする場合は、基準同軸ケーブルを準備してアンテナ接合点のCAL(校正)を実施します。この場合Mメス-Mメス又はNメスの中継コネクターが必要とされますが、Open校正は中継コネクターはインピーダンスが高い(∞)ので中継無しで校正して、ShortとLoadの校正は中継コネクターを使います。(基準同軸ケーブルはいつも使うケーブルを指定してください)

これでアンテナの正規化をすれば同軸を変えても大きくSWRが変化することは無いでしょう(多少変化はあります)

80mの短いケーブルでは?

SWRが1:1.11が1.28に変化しました

短い同軸でも基準ケーブルと比較すると結構、周波数特性で変化するものですね。1.2GHzの周波数になるとケーブルの違いで大きく特性が変化します(校正は5Dのケーブルで実施)

ケーブルの共振周波数に振られてSWRが大きく変化します。8D程度のケーブルは必須ですね。山の上に8Dのケーブルを担ぎ上げるのは拷問です。基準ケーブルを設定してケーブルの校正をしっかり実施した方がベストですね。

1.2GHzの20LE 八木アンテナの概ねの 作り方は

1200MHz 20EL (アンテナ製作 第6弾) を参考にしてください

 

2.4GHz見えるか?

BT(ブルー・ツース)の出力波形をPickUPのループアンテナで測定

S21端子をLOGMAGにして帯域を設定(2400~2480MHzに信号発生)します。その後CALを実施してループアンテナで確認

こんな波形が出ました

帯域内にランダムなPeekが見えます

確認時は他の2.4GHz電波を拾いますのでスマホやPCの BT / Wi-fiは切断して測定のこと

思ったようには見えないですね。おまけ動作のスペアナですので仕方がないかな?

残念‼ BT(ブルー・ツース)の電波はベールに隠されたままでした

別の機会があって試験サイトの電波暗室でBT(ブルー・ツース)2.4GHzの波形を観測する機会がありました

                        お高い測定器ではクッキリとみることが出来ます。
   2.4GHzでBTのデーターの塊が見えます他のノイズは全く確認できません(さすが電波暗室)

 

電波暗室での測定になりますので測定するBT以外の外来電波は確認できません。

この試験の目的はBT搭載機器の回路からのNoise(PC接続してのクロックNoiseや電源の高調波などを測定します)

                測定アンテナはホーンアンテナです(1GHz以上6GHz)

測定は別室での確認

解析ソフトも内蔵されており BT 2.4GHzの波形は見事に分析されました。

BTの電波がどのように分布するか一目瞭然です。

スペアナを操作した人はRBW(Resolution Band Width)とVBW(Video Band Width)で確認できる波形の違いは経験していると思いますが、NanoVNA F-V2 ではここまでの分解能は期待できません。
周波数レンジを広げると取りこぼしが発生して、狭くすると波形の正確さが測定できなくなります。

1.2GHzの単発の波形測定は難なく確認できます

1.295MHzFMのキャリアは簡単にPeekが確認できます。しかしBTの変調はGFSK変調で周波数はFHHS方式で周波数を拡散しますでNanoVNAでの確認は難しいでしょうWiFiに至っては64QAM変調のOFDM(直交周波数分割多重方式)です。これは多相角度のPSK変調にAM変調で階層をつけてOFDMで一挙に膨大なデーターを送るシステムです。(WiFiの他に地デジのTV放送もこの方法を使っています}ますます確認できにくくなります。

地デジTVの電波は470MHz付近でWifiの電波と同じですがデーター量が多いのでNanoVNAでも見ることが出来ます。

SGにもなる?

オリジナルのNanoVNAは高い周波数は基準発振器の高調波を使っていましたのでS11端子からはスプリアスの塊が出力されていました

オリジナルのNanoVNAの出力波形(S11端子から出力される信号)をスペアナで測定

高調波がバッチリ出ていますがこの高調波信号もNanoVNAの基準信号として使います。 1.2GHzの測定はNoiseの中です

 

NanoVNA F-V2 はどうか‼

高調波は少ない。?
あれれ‼
わー‼ いっぱい出てきた

設定の145MHzの他に高調波が時間差でパラパラ出ています。やっぱり高調波を使っているのか?

高調波の発生は1.5GHz付近まで発生しています

基本基準発振周波数をPLLでロックさせていろんな周波数を発生させているので家長を中心に一族郎党が孫子の代まで発生するのは仕方がないことか?

マーカー程度としてお使いください

使用感

大型電池を搭載したので電池寿命はオリジナルと比較して使いやすくなりました。
なんといっても老人対応の画面の大きさ。4.3インチで解像度も上がった様でしっかり数字も確認できます。
重くなりましたが、従来の基板をサンドイッチ化した筐体と比較すると、安心感が増大しました

オリジナル品の様に可愛がって使っていこうと思います。