NanoVNAは正確か?

NanoVNAは正確か?

VHFやUHFの移動運用をされている方は、山の上への担ぎ上げも最小のStyleで行いたいですね。SWRメーターより小さく軽いNanoVNAを一緒に連れて行ってください。

運用前にANT類のコネクター締め付けを確認、NanoVNAでSWRもOK。さあ!無線機に接続しOnAir。

電波を出す前にSWRをチェック。屋外でLCDが見えにくいのが(# ゚Д゚)

高い周波数で使用の場合にCAL(校正)を実施したが SWRメーターと指示値が違う?。とお気付きの貴方にオプション校正の治具をご紹介いたします。

Nano VNAの付属についている校正用のSMAコネクタ-の治具は、Nano VNA端子からのSWRやスミスチャートになります。

つまり アンテナからの同軸線は無線機に接続される為、MやNなどのコネクターがついています、Nano VNAで測定する場合は変換コネクターや変換ケーブルを使うので、その分も加味する必要があります。

アンテナのSWRはNano VNAの端子ではなくアンテナにつながる変換同軸線又は変換コネクターのANTアンテナからの接続端子を測定

変換コネクターを使ったSWRの測定(ケーブルコネクターがM接栓の場合)

ANT接続の変換コネクターはM(J)-SMA(P) J-Pの変換コネクター
UHFコネクターでも使えるようでした。(要注意)
アンテナ給電同軸のコネクターがNコネクターであれば N(J)-SMA(P)の変換コネクターになります

下図のイメージになります

変換コネクター込みのSWRがトランシーバーからのSWRと同じになる
測定するSWRはアンテナに接続されたMコネクターまでのSWRを測定する。NanoVNAに変換コネクターを付けると433MHzより上の周波数はSWRがずれてきます。変換コネクター込みの校正を実施する必要があります。この場合Mコネクタ―に適合したShortとLoadの校正用治具は別途製作します(オープンは未接続とします)

50Ω校正用のダミーロード

NanoVNAの出力は小さいので自作も可能です(後記の「50Ωの負荷が無い場合」を参照)

50ΩのMコネクターが付いたダミーロード
Mコネクターの50Ω負荷

校正用の短絡端子治具を手作りする。

今回製作するShortの校正用短絡端子

計測器の出力端子についているターミナルキャップを改造。入手が難しい場合。モービル用のアンテナキャップ(金属製)秋月電子で100円で売っています

コンタクトピンは 4mmの半ネジTypeのネジを切断して短絡キャップを作製

非ネジ部(非ネジ部を11mmにカット頭首下切断) 4Mナットを〆め込む、非ネジ部を含め全長18mmにネジ部をカットする。

ねじカッター

ねじ部は金ノコ切断時にねじ山が崩れます。長いねじを切る場合カッターは必須です。
圧着端子のカシメ、リード被覆のストリッパーとISOのねじカッターがついています

ターミナルキャップの改造

ボールチェーンの付いた部分の裏側にある防水ゴムを外し穴開け。(4mmのドリルで裏側から穴を開ける)
穴の開いたターミナルキャップに先ほど加工したネジを埋め込む
4mmのナットを内側から固定 切断した端末は丸く仕上げる

仕上げは4mmの化粧ナットで固定

ボルトのネジ部も見えずかわいらしい Capを被ったターミナルCap

実際にSWRを計ってみよう

433MHzの校正値

NanoVNA付属の校正治具(SMA)で校正確認後にSMA-M変換コネクター追加で50Ω負荷を測定
SWR1:1.26許容範囲か?
SMA-M変換コネクター込みで校正を実施。50Ω確認すると当然1:1.02と安定しています。
変換コネクター込みで校正して、SWRを測定したほうが安心ですね

問題は1.2GHzです

同様に付属の校正治具(SMA)でNanoVNAを校正後に変換コネクターで50ΩのSWR確認
ありゃーSWRが1:3.22 何ちゅうこっちゃい
変換コネクター込みで再校正後の50ΩのSWR測定 当然安定してます。
SWR1:1.05 これなら問題なさそうですね

1.2GHzでのSWR計との差

実際の自作アンテナで測定

自作の1.2GHz20ELアンテナ

SWR計で測定した場合

SWRは1:1.3くらいですね

NanoVNAはどうかな?

波形が汚いですが SWRは1:1.46くらいですね
SWRが1.2GHzで 1:1.3に対して1:1.46ですので、この変換アダプターは使い物になりそうです。

周波数が高くなると数cmでSWRが大きく変化します。変換ケーブルや変換コネクターを使われるときには、十分注意して使う必要があります。

NanoVNAでの測定でも再校正でこの状態、まして手作りアンテナはどの様な状態か不明です。同軸ケーブルの長さでスミスチャートの画面上で50Ωを中心にクルクル回ります。考えただけでも恐ろしい。

50Ωの負荷が無い場合

MコネクターのオスTypeに100Ωの抵抗をパラ接続してもOKです。NanoVNAの出力であれば1/6W程度を2本、Mコネクターの芯線と被覆側に最短で半田付けします。
Mコネクターは7D2V程度の太いものが製作しやすいですね

これでNanoVNAに変換Mコネを使用してもキャリブレーションをとれば立派な計測器です。

Nano VNAの精度は悪くありません、使い方が間違っていたのでした。ここにタイトル「Nano VNAは正確か?」を訂正して

Nano VNAをきちんと使おう!に修正します。

Nano VNA 変換コネクター付きでの校正手順(M-SMA変換コネクター)

STIMULUSから使用周波数とSpanを設定して、CAL Modeでスタート

CAL  タッチからReset

  1. 波形が安定したらCALIBRATE モードへ
  2. CH0に変換コネクターを取り付けて Openをタッチ(Openは端子開放)⇒スミスチャートのポイントは右端
  3. 変換コネクターに今回製作のShort Capを取り付けて  Shortをタッチ   ⇒スミスチャートのポイントが左端に移動
  4. Short Capを外して50ΩLoadを取り付けて Loadをタッチ      ⇒スミスチャートのポイントは中央50Ω
  5. IsolとThruを飛ばしてDoneで終了です   
  • 後はBackして 測定モードへ
付属のCAL治具で校正後の再校正は430MHzではSWRが1:1.26の変化でしたが、1.2GHzでは1:3.2と大きく変化し周波数の高さによる変化は見逃せません。1.2GHzで実際のアンテナでSWR計との差は1:1.3⇒1:1.5のですのでほぼ満足できる範囲です。

今回製作の治具はアンテナCapに4mmの半ネジボルトをくっつけたものです。

M接栓であれば簡単に出来ますので製作して素敵なアンテナを作製してください。