無線テクニカル工房(計測器編)

無線テクニカル工房(計測器編)

マチュア無線を初めて50数余年今まで結果オーライでアンテナや無線機を作ったり壊したりのHAMライフだったような気がします。

今回は理論に忠実に?自作派の人たちがぶつかる問題の手助けになればと思い(間違ったらごめんなさい)あくまでも老人の思い込みの可能性もありますので参考にならないかもしれません。

電波を見る

  • 携帯の中継基地や地デジの中継アンテナはよく見かけますが電波は見えないんですよね。
地デジ用ローカル中継アンテナ

失敗したー

  • アマチュア無線の測定器と言えば、SWRメーターが一般的ですが、最近は安価なインピーダンス・アナライザーやアンテナ・アナライザーがアマチュア用として市販されています。基本的には無線機のアンテナインピーダンスと同軸ケーブルそれにアンテナの整合を見る機器です。
  • 八木アンテナを自作してSWRが下がらないSWRの周波数のディップ点が低いほうにある。即エレメントを切断、一向にSWRのディップの周波数が高くならない。特にV/UHFのアンテナ調整では多くみられる失敗例です。
  • アンテナの共振周波数は輻射器の長さで決定されますがSWRはインピーダンスの整合反射を測定するものですから同軸の長さや輻射器の前後の導波器や反射器の長さや間隔で変化します。ダイポールアンテナのようにエレメントがラジェーターだけであれば、カット&トライもOKですが多素子アンテナでの場合条件がちょっと変わります。
  • 八木アンテナの場合シングルではSWRが1:1でも、2枚スタックにするとSWRが上がってしまう?。アンテナ同士の影響やスタックキット(Qマッチケーブル)の引き回しや微妙な長さ等、アンテナに関する変動要因は山のようにあります。

SWRの疑問

  • SWR 定在波比と言います。高周波の伝送には波があります無線機からアンテナまで送り込んだ電波が反射なくアンテナ(空中線)に伝わる比率です
  • アンテナを作ったがSWRがそこそこ(1:2)でも電波は飛びます。なぜならアンテナからの反射比率は11.1%ですので10Wの無線機から8.89Wの出力が出ているからです。
  • 反射比率は SWRが(1:1.0)⇒0%(1:1.4)⇒2.8%(1:1.6)⇒5.6%(1:1.8)⇒8.2%  この辺までなら問題なさそうですが、これ以上高くなると50Ωであるべき無線機から見た抵抗が大きくなり、結果オームの法則ですね。
  • 単純計算ですが、50Wの無線機であればアンテナ端子に W/R=I ですので正常であれば1Aの50V(50W)。しかしアンテナのインピーダンス(抵抗)が50Ωでなく100Ωだったら W/R=0.5A 結果として100Vの電圧が無線機の基板に加わってしまいます。反対にインピーダンスが25Ωになったら出力トランジスターの電流が倍流れてトランジスターに負荷がかかり発熱しますね。SWRが高くなると無線機に負担をかける事です。(SWR1:2はアンテナ抵抗値が25Ω又は100Ωです)実際はオームの法則通りにはなりませんが・・・。

SWRは下げて使う事。電波が飛ぶ飛ばないの話ではなく、無線機が飛んでしまうのです。

  • 伝送回路には必ず伝送インピーダンスと言うものがあり、抵抗(Ω)の単位を使います。御存じのUSBケーブルの伝送インピーダンスは90Ω 昔のTVのリボンフィーダーは300Ωそれに適した入出力の回路を構成しないと何かと問題を引き起こします。

計測器

  • 冒頭の高周波を見る為の測定器です実際にテスターのように計測するものから伝送理論に基づいて設定される値までいろいろありますが。ここではデシベル(dB)という単位が基準なります。何に対してどれだけ変化したかの数値です今はEXCELの関数もあり簡単に机上の数値がdBで求められ実際の計測器の値から(dB)と合致する検証ができます。
SWR計
  • SWRメーターはアマチュア無線家には必須のツールです。
  • 出来れば1.2GHzも測定可能なSX-1000がベストですね

アンテナアナライザー

  • ネットワークアナライザー等  乗用車の購入単価に近いものは、プロに任せてアマチュアにはインピ―ダンスメーターやアンテナアナライザーがあればアンテナ製作には威力を発揮致します。
  • 学生時代 Sパラメーターや4端子回路 スミスチャートと苦労された方もお多いと思いますが、RigExportのアンテナアナライザーは簡単にスミスチャートも作図することができアンテナ作成や伝送回路の評価にも使うことができます。
  • RigExportのアナライザーPC上でスミスチャートもトレースできます

7MHzモバイルアンテナを測定する、赤チャートは周波数の範囲

  白丸以内にチャートが落とし込めない場合コンデンサーとコイルで引き込みます。
  • 上記はチャートはインピーダンスチャートです。実際にはインピーダンスチャートを左右ひっくり返したアドミタンスチャートがあります。インピーダンスチャート上では直列に付加されたコイルとコンデンサーに影響され、Cの追加で左に推移しLの追加で右に推移します。また並列に付加されたコイルとコンデンサーはアドミタンスチャート上でLの追加で同じく左に推移しCの追加で右に推移します(CとLの値が大きくなると右回転で変化します)これらの手法を使い伝送インピーダンス(50Ω)に近づけて、SWRを極限に低くします(一般的には1:1.5以下であればOK) Web上でMr.smithと言うサイトがありました。

73Ωの平衡ダイポールアンテナに50Ωの非平衡同軸を給電する方法

    • 73Ωと50Ωなので直結でもSWRは1.5ぐらいにはなりますが、周囲の状態で大きく変化します。
    • そこで平衡を非平衡にするためUバランそれも?/4λの変則整合。Mr.sumithで計算すると145MHzでUバランを0.14λ。433MHzは0.637λでアドミタンス上でクロスします。後はコイルをパラ接続で50Ωの給電点に追い込めます。(計算上の推論)一回転は2/4λです
    • 433MHz の場合 ダイポールアンテナは73Ω給電点、50ΩのUバランを0.637λの長さ(1回転と1/8-α)として1のポイント、47nHのコイルで補正後は2のポイントで50Ωとなりますが、エレメンとの太さよりスミスチャート上でもう半回転 3/8λ(0.36λ)させてコンデンサー追加で整合させましょう
    • 145MHzは0.14λ(1/8+α回転)のUバランで、1のポイント150nHで50Ωへ2のポイント 50Ωとなりまが、調整が難しく0.36λ+jまで回転させ5pFパラでOK

実際に使ってみましょう

関連サイト Nano VNA 活用 (Mr.Smithを使う ) を使ってトレーニングいてインピーダンスの動向をMr.sumithを使って使用してみましょう

スミスチャートと水橋チャート

  • ずっと昔 84年前に(P.H.スミス氏がベル研究所よりスミスチャートの理論が発表される2年前)現在のKDDIの前進である日本無線電信株式会社の水橋東作氏が論文を発表。スミス氏が水橋さんの論文を参考にしたことは推測されることです。日本人としてスミスチャートと呼ばれ続けられるのは、寂しい限りです。東作さんの論文が盗作された?当時は日本軍閥が中国に進出している最中、日米関係は最悪 4年後は日米開戦です。こんなご時世でなければ「水橋・スミスチャート」と呼ばれてもっと親しみのあるツールになっていたかもしれません。
信号発生器
  • 俗にSGと呼ばれているものです。
  • 標準信号発生器 SG7130(1300MHz) FM/AMの変調がかけられる。
  • 出力レベルが0dBm=1mW=107dBμ=113dBf=223.6mVの表示ができ-130dBmまで可変できるものをSSG(標準信号発生器)と呼ばれています。単位が5種類も混乱の極みです。周波数の発生もSGの大切な要素で 1000MHz程度までの出力はほしい。受信機の調整に欠かせない。
高周波の単位
  • 出力電圧  出力     50Ω負荷   開放  端子電圧    参考レベル
  •  0.006pW    -123dBm    -15dBμ -11dBf  0.18μV  受信感度
  •  0.010pW     -120dBm    -12dBμ   -12dBf     0.22μV     受信感度
  •     0.100pW     -100dBm      7dBμ     13dBf     2.20μV
  •     1.00pW         -90dBm      17dBμ    23dBf     7.10μV
  •    10.00pW      -80dBm      27dBμ    33dBf     22.4μV
  •     100.0pW       -70dBm      37dBμ    43dBf     70.7μV
  •    162.0pW        -69dBm      40dBμ   46dBf     90.0μV     VCCI ClassB 300MHz以下
  •    1.000nW        -60dBm      47dBμ   53dBf    223.6μV    VCCI ClassB 300MHz以上
  •    5.000nW        -53dBm  54dBμ 60dbf  500.0μV  微弱電波規格  
  •    10.00nW        -50dBm        57dBμ  63dBf    707.1μV
  •    46.88nW        -43dBm        64dBμ  70dBf    1531.0μV   微弱電波出力
  •    100.0nW        -40dBm        67dBμ  73dBf      2236.0μV
  •    1.000μW        -30dBm        77dBμ  83dBf         7.07mV
  •   10.0μW         -20dBm       87dBμ 93dBf       22.36mV
  •   100.0μW    -10dBm     97dBμ 103dBf        70.71mV
  •      1.00mW          -0.0dBm      107dBμ  113dBf        223.6mV
  •      10.0mW            10dBm       117dBμ  123dBf      707.1mV
  •       100mW            20dBm       127dBμ  133dBf          2.24V
  •         1.00W            30dBm       137dBμ  143dBf          7.07V
  •         10.0W            40dBm       147dBμ 153dBf    22.4V
  •    100.0W      50dBm    157dBμ 163dBf         70.7V
  •        1000W            60dBm       167Bμ 173dBf        223.6V
  • 高周波出力の換算表です何の脈絡もないようですが、出力電力が10倍になると10Log10で10dB上がり。電圧が10倍ですと20Log10で20dB上がる換算になっています。

dBm?dBμV?

どちらも同じ単位です。dBmは 1mWを 0として計算、dBμVは1μVを 0とした単位です。
送信出力はdBmで表し受信感度はdBμで表すパターンが多いようです。

dBfは?

SGなどの出力レベルを表します。SGの出力Openでの端子出力電圧になります。50Ωも負荷出力でdBmになります。
dBmやdBμVは実際の単位でdBは比率の計算になります
実際のレベルはVやWでも問題ないのですが、桁数と単位が煩雑になりレベルの変化を見るのには dBを使うほうが簡単に済むからです。

Wの場合は 10Log(A/B)でdBm Vの場合は 20Log(A/B)で絶対的なdB値が算出されます

スペクトラムアナライザー

  • 太平洋戦争の米軍のレーダーは、東北大教授の八木博士研究の八木ANTのラダーだったことは有名ですが、このレーダーに使われていたのがスペクトラムアナライザーです。無銭家には垂涎の測定器です

  • 中華製(もとはリーダー社)のスペアナ1.5GHz TG付き200k円
  • TG(トラッキングジェネレーター)付のスペアナはバンドパスフィルターやRFプリアンプの製作には欠かせません。昔のラジオの受信感度の調整は低い周波数と高い周波数のトラッキングを何回も行ったり来たり。これは同時に調整ができます。

高周波電圧計

  • RFバルボルと言われスペアナ(スペクトラムアナライザー)が出回るまでは高周波の電圧を測定するのは必須のツールでしたが、その座は完全に転落してしまいました。
  • Boontone製のRFVVこれも懐かしい。中身はトランジスターですがいまだにバルブボルトメーター(真空管電圧計)と呼んでいます。真空管て死語ですよね。

パワー計

  • 今でもバードのType43を大事に持っているOMさんは多いと思いますが、たまに見かけると懐かしく涙が出そうになります。
  • アンリツのパワー計 SGなどの校正用に使っています。
  • 終端型Powerメーター 50Ωの抵抗と端子電圧をダイオードで検波(チョッパーでないところが可愛い)
  • パワー計がなくても50ΩのダミーロードとRFVVがあればPowerは計れます。出力電圧を2乗して抵抗値で割る(オームの法則です)

これも必要

  • 信号のレベルはある程度調整は可能ですが、指示値はテスターではリニアスケール。しかし高周波測定器の目盛りは対数(Log) dB表示となります。そこで役立つのがアッテネーターですレンジをガチャガチャ変えず中間に減衰器を入れる。見やすいスケールで読み取れる大変便利です。
  • -10dB, -20dB, -40dB があればおおむね間に合います

障害を乗り越える

信号の通り道

  • 高周波は決まった道を進まない。高齢者の逆走問題が話題になっていますが、高周波も逆走、や暴走します。高周波=高齢者?
  • 商用電源や直流電源は決まった回路(サーキット)を流れますが、高周波は何でもありです。通りたい場所があればどこにでも、傍若無人・・・脇に若い人が居ないから暴走するのかな?兎に角、高周波は一筋縄ではいかないのです。

ディファレンシャルモードとコモンモード

  • 聞きなれない言葉?ディファレンシャルモードとは前項SWRで述べた伝送伝搬のことで、高周波伝送では優等生です。決められた回路(線路)をまっすぐ進む 親も喜ぶ品行方正の信号経路を歩む子供の様です。出発と到着の整合が取れていれば問題なく健やかに伝搬されます。
  • 悪ガキのコモンモードは伝送途中で寄り道はするは、寄り道のついでにエネルギーの落とし物をし、勝手に徒党を組んで必要以外の雑音を出したり、高周波回路設計者はこのコモンモードの戦いと言っても過言でないでしょう。

更生の道

  • コモンモードとSWRを少なくし、なくすことが効率の良い高周波伝搬と言えます。昔オーディオの世界ではハム(ぶーんと言う雑音)をなくすために1点アースを気にかけながらアンプを作った記憶があります。この当時の雑音源は50/60Hzの交流ノイズです。現在では、スイッチングレギュレーターからでる100kHz程度のノイズやCPUからの高周波ノイズが!電源や信号に重複されてます。1点アースなど言っていられません。ノイズは速やかに電源に戻し信号はもれなく伝送することが必要です。
  • その為には伝送インピーダンスの整合とコモンモードに誘起される不必要なエネルギーを減少させる為。回路設計やアンテナ設計が必要とされます。

EMC

  • 無線機からアンテナ、装置から装置、回路のパターン(配線間)には前記のように定在波が発生したり、その定在波が不要に飛び出し他の装置に妨害を与える。又は外部のノイズから妨害を受ける。これらを EMC(Electro-Magnetec-Compatibility)電磁環境両立性と呼びます。
  • 該当機器より妨害を与える(まき散らす)EMI(Electro-Magnetec-Interference)。
  • 外部からの電磁妨害を受ける(受信妨害)EMS(Electro-Magnetec-Susceptibilty)の総称がEMCです。
  • EMIは無線雑音のほかに照明やモニターの明るさの妨害(フリッカー)等も含み。放射線は除かれます。EMSは無線妨害のほかに静電気や電源の変動も含まれます。(交流のハム音は除かれます)
  • EMCは妨害を与える事象と受ける事象の総称です

電磁妨害EMS

  • 最近は照明器具やソーラーシステム、簡単な電源回路にもSWレギュレーターが使われているので外来ノイズに悩まされている方も多いものと思われます。電源回路はトランス式がお勧めできるのは理解できますが、レギュレーターTypeは小さくて軽い。変換効率もトランス式が65%に対してSWレギュレーター式は85%と、ノイズが発生しなければ 言う事が無いのですが・・・・使われる方のポリシーで決定してください。

不要輻射EMI

  • 現在は昔の無線機より性能が上がっているので、7MHzと14MHzに同時に電波が出ているのはさすがに無くなりましたが。無線機で60dB以上の抑圧がされていても、使われたアンテナや同軸の整合が取れていない場合(SWRが悪い)高調波は沢山発生します。またSWRが低くても電源のアース状態が高いImpになっている場合、AC側又はアースから不要輻射が発生する場合があります。コモンモードからの不要輻射です。無線機が新スプリアス基準をクリアしてもアンテナやアースが不完全であればスプリアスをまき散らしていることになります。

規格

  • これらの規格は国際規格(IEC・CISPR) の下に国家規格 EN(CE) JIS(日本)FCC(米国)DIN(ドイツ)などの下に、個別規格がありULやVCCIがあります。おなじみのPSEは電源関連の規格でULやCEの低電圧指令と似ています。米国を除きおおむねの国はIECの規格を順守しています。アメリカさんにはMILと言う米軍規格とFCCと言う連邦国家規格、それに民間のUL規格が大きな力をもって管理されています。日本のJIS規格はほぼIECの規格と連動しています。
  • アマチュア無線機の新スプリアス基準は出力端子での不要輻射です。厳密に言うと放射電界でのスプリアスではありません。特定小電力のスプリアス規制と比較すると測定も簡単なものです。放射電界のスプリアスは EIRP(等価等方輻射電力) Equivalent Isotropically Radiated Powerと呼び、 放射された電界強度を指定のアンテナで測定し基準のSGの出力を等価測定する面倒くさいものです。電波暗室や高度の測定器を持っていないと無理な測定です。

コモンモードの撃退

  • あるメーカーさんで見つけたコモンモードピックアップ、コモンモードの悪さで発生する不具合の対策用ツール
BNCコネクターをスペアナなどのRF測定機に接続
  • 同軸の定在波の状態も確認出来ます。Qマッチの同軸切断箇所もQマッチの分配ケーブル終端に50Ωの抵抗をつなぎ、ピックアップの出力最小値が430MHzで計算上3/4λは短縮率(0.66) 込みで34.3cmに対して、ピックアップで測定すると33.8cmほぼ同一です。
  • 外来ノイズの発生源は?ケーブルにクランプインする。アース側?電源側?それとも信号ライン?ノイズの発生源が特定できます。
  • これはアマチュアにも使えそう。ニンマリ。

構造

  • コアの中心を流れる高周波電流をコアに励起させ表面のメッキ部に発生した電圧をコアの両端から取り出す。(コアの中央部はメッキがされていない)コアの両端は50Ω以下の抵抗で整合を取る。
  • 同軸被覆部と芯線をコア銅箔の端部に、25Ωを終端にはんだ付け  (芯線は撮影上はんだ付け外しています)

    ピックアップの作成(中華思想に学ぼう?)

  • さっそくコピーです。市販の高周波用分割フェライトコア(パッチンType)にホームセンターで売っている建材用銅箔テープをコア内側を避けてぐるっと巻き付けて貼付ける。25Ω(50Ωパラ)の抵抗を銅箔両端にはんだ付けする。もう少し抵抗を下げたいのですが入力感度の兼ね合いで我慢しました。現状で入力インピーダンスは120Ω程度です。
  • メッキ処理品と比較すると悲しい、剝げることは無いが破れます
  • 丁寧にシワなく張り付けましょう
  1. 整合抵抗と1.5D2Vを配線

    抵抗と同軸をコアの端面に半田付け、取り外したパッチンコアに戻します。半田付け個所等、邪魔な個所はカットしないと入らない
  2. 100円ショップの洗濯バサミの中にコモンモードクリップをエポキシ系接着剤で固定。何とか形になりました。(洗濯ばさみが4ケ残り、カミさんにプレゼント)

    借用品と比較すると悲しい出来栄え。自作品です良しとしましょう!

コアの中身の半田付け

  • 中にケーブルが入るので出来るだけスペースを確保する
  • 早速 正規品を借用して銅箔の張りぼてクリップとの比較データーをディファレンシャルモードで測定、治具は同軸の被覆を開いた様なイメージの治具です
  • 左側にSG又はスペアナSG 右側50Ωのダミーロード
433MHzで測定したディファレンシャルモードでの出力(SG 0dBm入力時)

    オリジナル(黄)-20dBm 、試作機(赤)-21.7dBm 約2dBレベルが低い  メッキと銅箔の差ですかね?
スペアナのジェネレーターを使ってF特測定
高い周波数はレベルの差が6dB以上です
500MHzまでは使えそうです
50MHzまではOKですね
整合抵抗は1/4Wです。ハイパワーでの測定は抵抗が燃え出します。(燃えたら抵抗の交換です)
100円shopでGHzまで測定するピックアップができるとは思ってみませんでした。何事もチャレンジですね。

部品リスト

  • 抵抗ー2本 51Ω1/4W  ケーブルー1.5D2V 50cm    コネクター1.5D2V BNC     パッチンType コア(黒) 洗濯はさみ(Daiso) 銅箔テープ (建材用)
  • すべてジャンク箱品と100円ショップです。銅箔テープは以前スプリアス対策で購入したもの(ホームセンターで1800円)高周波の工作する場合の必需品です。EMCの女神で昔から時々救助されていました。
  • 測定器メーカが販売するRF通過型のピックアップは数十万円します。100円ショップ製で作られたものとの比較で6dB未満の性能であれば作る価値はありそうです。アンテナの工作等高価な測定器が無くてもアマチュアだから出来る測定器もあります。

ベクトル・ネットワーク・アナライザー参上

NanoVNAなる超廉価のネットワークアナライザーを入手しました。興味のある方は下記の関連サイトをご覧ください。

NanoVNAで電波を見よう

Nano VNA は何が見える NanoVNA活用

NanoVNAで高周波の回路設計

この値段でこの内容、既にお持ちの方もSWR計用にしか使用していないのであれば、ぜひネットアナライザーの機能の奥深さを楽しんでください。

♪これからも簡単工作をがんがります。(^^♪