430MHz HB9CV 7ELスタック (アンテナ製作 第7弾)
- 2021.01.14
- EHL工作室
HB9CVの5ELスタックを使ってましたが、以前使ってた10ELスタックのとの差が目立ってきました。そこそこビームは切れているのですが、弱い信号が今一つ拾いきれない・・・・HB9CVの7ELにすればスタンダードの八木 10ELスタックと同じくらいゲインが上がるか? さっそく製作開始。
7ELスタックの製作
ラジェーターユニットは430MHzのHB9CV 5EL×2 (第5弾)を参考に!!5ELのユニットに導波器を2本追加しただけです。
ラジェーターUnitの製作と調整は以前のアンテナ記事に記載しております。
NanoVNAで430MHz HB9CV 5ELスタック ( アンテナ製作 第5弾)
エレメント寸法
- 反射器 305mm 間隔(87mm)
- 輻射器 295mm 間隔(80mm)
- 導波器 1 285mm 間隔(100mm)
- 導波器 2 275mm 間隔(120mm)
- 導波器 3 270mm 間隔(153mm)
- 導波器 4 265mm 間隔(195mm)
- 導波器 5 260mm
全長750mmで1mを切っています。1.2GHzのアンテナ分割時とほぼ同じ長さです。
5ELと比較をするとやっぱり長くなりました。しかしこれでも軽自動車の助士席にも収まります。
第4と第5の導波器の間隔は1/4λより長くなっていますので、少し詰められるかな?ショートTypeで8ELもあり? 山岳移動ではこれが限度でしょう。
Qマッチケーブル
スタックにするとき必要なケーブルです。
50Ωのアンテナをパラ接続するためのケーブルです
2本のアンテナを並列につなぐケーブル。電力利得で3dB UPです。計算上は倍になります。
以前の記事でも紹介していますが、75Ωの5C2Vを 3/4λ×短縮率0.67≒34.5cmをパラ接続します。
最後にテーピングしてMコネクター♂を半田付けします。コネクターと同軸,中継PVパイプだけでQマッチ完成
(半田コテは80W程度、付かない場合はメッキをやすりで剥がすか 塩酸で腐食させる)
Mr.Smithで計算すると
Qマッチの長さは3/4で0.75λになります。これで計算すると113Ωこれをパラって56Ω
インピーダンスの回転は同軸の長さが1/4λで半回転、1/2λで1回転になります。 3/4λの場合は1回転半。この長さの同軸52cmに短縮率0.67を掛けると34.8cmになります。実際は113Ωなので0.75λでは長いのでしょう。(Mr.SmithのRotate Porat Extentionのアイコンを見るとDielectric constant⇒ε=1 です ε=0.67は同軸の誘電率です。お使いになるケーブルを確認)
Qマッチケーブルの検証
Qマッチケーブルは、カットする前にSGとスペアナで同軸の定在波を確認。フェライトのパッチンコアで作ったピックアップセンサーで測定すると、計算値と同じ場所で確認できました。NanoVNAでもやってみました、波形は確認できるのですがSweepTimeと分解能が極めて粗いので実測には至りませんでした。
パッチンコアで作るピックアップセンサーの関連記事(コモンモードの撃退) 無線テクニカル工房(計測器編)
スタック間隔は 1/2λです。スタックバーの製作記事は「NanoVNA430MHzのHB9CV 5EL×2」を参照してください。簡単セットのスタックキットです。
NanoVNAで430MHz HB9CV 5ELスタック ( アンテナ製作 第5弾)
NanoVNAを使ったQマッチケーブルの校正
GHz帯のダミーロードなんかありません
それでは市販の1/4Wの51ΩをMコネに半田付けではどうだ!
色々楽しんでください、それがアマチュアです。
製作アンテナをMMANAでの比較
オリジナル5エレSingle
オリジナル5エレスタック
Gainは上がっていますがF/Bは下がっていますね。少しシャープになっています
New 7エレ Single
New 7エレスタック
確実にGainとF/B比が改善されています。
13dBiと言う事はダイポールアンテナが2.1dBiですので10Wが100W以上になる!!
成果はいかに
20km離れたハンディ機からのリポート
- モービルホイップ ダイアモンドCR77 R5 / Sなし~1 ノイズあり
- 5ELスタック 3mHigh R5 / S3 若干のノイズあり
- 7ELスタック 3mHigh R5 / S7 Noノイズ
確実に信号は遠くに飛んでいるようです。使用した感じでは近県の方のリポートは10エレスタックよりは良いリポートを頂いた交信記録もあります。
自宅駐車場で調整中に日光霧降高原移動局に59のリポートを頂きご機嫌です(*^^)v
目標の都内越えは横浜市磯子区の移動局でした。磯子区に高い山ってあったっけ?小高い丘って言っていましたけど。
ビームの切れも千葉と久喜の局長さんの信号がわずか20°のズレで完全に聞き分けました。10EL八木アンテナと7ELHB9CV ほとんど同じかなと思っています。ブーム長が半分程度ですのでこれで良しとしましょう。自己満足 !(^^)!
後日 郡山市のSOAT FS-065 浜路(大将旗山 1056m)から神奈川県厚木/静岡県伊東市等300kmの遠方とコンタクトが取れて、アンテナの実力を見せつけられました。
大将旗山からの運用 CQ山からこんにちは(郡山市 大将旗山 FS-065)
一切経山からの運用 CQ山からこんにちは (福島市 一切経山 FS-174)
NanVNAでの測定は?
5エレスタックと同じでした。
自作への挑戦
アンテナ製作をするにあたって気になるのは、コストです。結局「メーカー品を買ったほうが安かった」とならないように。今回の製作単価(参考)を提示します。なんて言ってもホームセンター仕様ですから期待出来そうです。
部品リストと単価
- アルミパイプ 9φt1mm 4m (≒30cm×14) @1480- ¥1480-
- Mコネクターオス 5D用2ケ(Qマッチケーブル用) @450- ¥900-
- Mコネクタ―メス ネジ式3ケ(ANT用2ケ+Qマッチ用) @350- ¥1050-
- 同軸ケーブル 5C2V 1m (ジャンク品流用 可) @150- ¥150-
- アクリル板 110×100×t5mm(なければ3mm😢)2枚 @256- ¥528-
- 裸端子 丸型 R8-5 8ケ(エレメント圧入なので確認必須) @12- ¥96-
- 裸端子 丸型 R2-5/4 8ケ(圧着又は半田付け) @8- ¥64-
- 4mm6角ネジナット 8ケ(アクリル厚さで変わります) @30- ¥240-
- 3mm鍋ネジナット 28ケ (L=18mm) @11- ¥308-
- 3.5mmワッシャ 20ケ @2- ¥40-
- 2mm単線 100cm (VFF線 流用) @21- ¥21-
- 両サドル VP13-18 4ケ(水道用部品) @51- ¥204-
- 中継用VEP VF14J 3ケ(アンテナ固定 Qマッチ) @38- ¥114-
- アンテナブーム VET14J2(2m品カット 増築可能) @168- ¥168-
- T分岐ホルダー VET-16J 3ケ(2ケはVF14J 加工必要) @158- ¥474-
- スタックパイプ VE-22-J2(2m品カット残りはマスト用) @218- ¥218-
- エレメント固定サドル S14 10ケ(導波器固定用) @22- ¥220-
- 絶縁キャップ LPTIC-8-黒 14ケ(エレメント端末処理) @5- ¥70-
- ビニールテープ(キャップの樹脂のコスタダウン) @70- ¥70-
部品代の合計金額は6,593円でした。メーカー製の10ELスタックが35,000円位です。1/5の出費で7ELのスタックが出来ました。1.7mのプラポールもついています。準備するのは給電のケーブルと無線機だけです。10ELにしても8000円は超えないでしょう。
工賃は入っていませんのであしからず。尚掲示単価は参考値です。ホームセンター単価なので全国どこへ行っても大差ないと思います。
Mコネクターなどは秋葉原や通販などではもっと安く入手できると思われます。
小物部品はまとめ買いすると安くなりますので、友人とシェアするのもGoodですね。
さらなる欲望
ラジェーターUnitがあれば、導波器エレメントを量産すると多素子アンテナも自由自在です。ただしブームが電工用のPVパイプ(VE-14J2)です。夏場には暑さで変形します10エレが限度でしょう。
ラジェーターユニット以外のエレメント間隔は自由にスライドできますので、実戦で最適値を見つけ出しタッピングビスで固定してください。
悪のりで作った八木アンテナ17ELスタック
ブームの中には変形防止の為にアルミパイプが入っているのですが、やっぱり変形しますね。
是非!自作のHB9CVを製作してください。
HB9CVアンテナ製作記事は(第3、4、5弾)に関連記事を記載中!!
次のアンテナはスイスクワッドかな?どうもスイスから逃げられそうもありません。 第 8,9弾と続きますご期待ください。
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