430MHz HB9CV 7ELスタック (アンテナ製作 第7弾)

430MHz HB9CV 7ELスタック  (アンテナ製作 第7弾)

HB9CVの5ELスタックを使ってましたが、以前使ってた10ELスタックのとの差が目立ってきました。そこそこビームは切れているのですが、弱い信号が今一つ拾いきれない・・・・HB9CVの7ELにすればスタンダードの八木 10ELスタックと同じくらいゲインが上がるか? さっそく製作開始。

7ELスタックの製作

ラジェーターユニットは430MHzのHB9CV 5EL×2 (第5弾)を参考に!!5ELのユニットに導波器を2本追加しただけです。
ラジェーターUnitの製作と調整は以前のアンテナ記事に記載しております。
NanoVNAで430MHz HB9CV 5ELスタック ( アンテナ製作 第5弾)

エレメント寸法

  1. 反射器   305mm 間隔(87mm)
  2. 輻射器   295mm 間隔(80mm)
  3. 導波器 1   285mm 間隔(100mm)
  4. 導波器 2   275mm 間隔(120mm)
  5. 導波器 3   270mm 間隔(153mm)
  6. 導波器 4   265mm 間隔(195mm)
  7. 導波器 5   260mm 

全長750mmで1mを切っています。1.2GHzのアンテナ分割時とほぼ同じ長さです。

5ELと比較をするとやっぱり長くなりました。しかしこれでも軽自動車の助士席にも収まります。
アンテナ間隔は1/2λです コンパクト!コンパクト!
第4と第5の導波器の間隔は1/4λより長くなっていますので、少し詰められるかな?ショートTypeで8ELもあり?  山岳移動ではこれが限度でしょう。

Qマッチケーブル

スタックにするとき必要なケーブルです。

50Ωのアンテナをパラ接続するためのケーブルです

2本のアンテナを並列につなぐケーブル。電力利得で3dB UPです。計算上は倍になります。
以前の記事でも紹介していますが、75Ωの5C2Vを 3/4λ×短縮率0.67≒34.5cmをパラ接続します。
Mコネクター♀に5C2Vの同軸35cmを2本半田付け。ねじ部にはみ出さないように。
中継用パイプ(PVF-14)中央のリブを残して切断
リブを少しリーマーで削り同軸を半田付けしたコネクターをねじ込む(最後にエポキシ固定)ほぼコネクターの予算で完成

最後にテーピングしてMコネクター♂を半田付けします。コネクターと同軸,中継PVパイプだけでQマッチ完成

(半田コテは80W程度、付かない場合はメッキをやすりで剥がすか 塩酸で腐食させる)

Mr.Smithで計算すると

Qマッチの長さは3/4で0.75λになります。これで計算すると113Ωこれをパラって56Ω
50Ωのアンテナに0.75λの同軸を奇数/4 を接続すると113Ωになる

インピーダンスの回転は同軸の長さが1/4λで半回転、1/2λで1回転になります。 3/4λの場合は1回転半。この長さの同軸52cmに短縮率0.67を掛けると34.8cmになります。実際は113Ωなので0.75λでは長いのでしょう。(Mr.SmithのRotate Porat Extentionのアイコンを見るとDielectric constant⇒ε=1 です ε=0.67は同軸の誘電率です。お使いになるケーブルを確認)

Qマッチケーブルの検証

Qマッチケーブルは、カットする前にSGとスペアナで同軸の定在波を確認。フェライトのパッチンコアで作ったピックアップセンサーで測定すると、計算値と同じ場所で確認できました。NanoVNAでもやってみました、波形は確認できるのですがSweepTimeと分解能が極めて粗いので実測には至りませんでした。

パッチンコアで作るピックアップセンサーの関連記事(コモンモードの撃退)                        無線テクニカル工房(計測器編)

 

ピックアップで測定、34cm程度の場所で波形の変化がみられる
スタック間隔は 1/2λです。スタックバーの製作記事は「NanoVNA430MHzのHB9CV 5EL×2」を参照してください。簡単セットのスタックキットです。

NanoVNAで430MHz HB9CV 5ELスタック ( アンテナ製作 第5弾)

NanoVNAを使ったQマッチケーブルの校正

50ΩのダミーロードをQマッチのANT側にそれぞれ接続して 同軸の無線機接続側に校正したNanoVNAを接続して測定
34.5cm切断品の433MHzでSpan10MHz帯域でSWRは1:1.03

GHz帯のダミーロードなんかありません

それでは市販の1/4Wの51ΩをMコネに半田付けではどうだ!
NanoVNAでのSWR測定 1:1.28でした 目安にはなります。

色々楽しんでください、それがアマチュアです。

製作アンテナをMMANAでの比較

オリジナル5エレSingle
ずんぐりむっくりの金魚ちゃん
オリジナル5エレスタック
 ダイエット成功
Gainは上がっていますがF/Bは下がっていますね。少しシャープになっています
New 7エレ Single
5ELスタックと同じようなGain お玉ジャクシの手足が邪魔だな~
New 7エレスタック
Gain 13.28dBi  F/B 14.32dB  手足がなくなりました

確実にGainとF/B比が改善されています。

13dBiと言う事はダイポールアンテナが2.1dBiですので10Wが100W以上になる!!

成果はいかに

20km離れたハンディ機からのリポート
  1. モービルホイップ  ダイアモンドCR77    R5 / Sなし~1   ノイズあり
  2. 5ELスタック 3mHigh         R5 / S3     若干のノイズあり
  3. 7ELスタック 3mHigh         R5 / S7      Noノイズ
確実に信号は遠くに飛んでいるようです。使用した感じでは近県の方のリポートは10エレスタックよりは良いリポートを頂いた交信記録もあります。
自宅駐車場で調整中に日光霧降高原移動局に59のリポートを頂きご機嫌です(*^^)v
目標の都内越えは横浜市磯子区の移動局でした。磯子区に高い山ってあったっけ?小高い丘って言っていましたけど。

ビームの切れも千葉と久喜の局長さんの信号がわずか20°のズレで完全に聞き分けました。10EL八木アンテナと7ELHB9CV ほとんど同じかなと思っています。ブーム長が半分程度ですのでこれで良しとしましょう。自己満足 !(^^)!

後日 郡山市のSOAT FS-065 浜路(大将旗山 1056m)から神奈川県厚木/静岡県伊東市等300kmの遠方とコンタクトが取れて、アンテナの実力を見せつけられました。

大将旗山からの運用  CQ山からこんにちは(郡山市 大将旗山 FS-065)

一切経山からの運用  CQ山からこんにちは  (福島市 一切経山 FS-174)

NanVNAでの測定は?

5エレスタックと同じでした。
ラジェーターUnitは同じです、安定してますね。

自作への挑戦

アンテナ製作をするにあたって気になるのは、コストです。結局「メーカー品を買ったほうが安かった」とならないように。今回の製作単価(参考)を提示します。なんて言ってもホームセンター仕様ですから期待出来そうです。

部品リストと単価

  1. アルミパイプ 9φt1mm 4m (≒30cm×14)    @1480-  ¥1480-
  2. Mコネクターオス 5D用2ケ(Qマッチケーブル用)      @450-    ¥900-
  3. Mコネクタ―メス ネジ式3ケ(ANT用2ケ+Qマッチ用)      @350-    ¥1050-
  4. 同軸ケーブル  5C2V 1m   (ジャンク品流用 可)    @150-    ¥150-
  5. アクリル板 110×100×t5mm(なければ3mm😢)2枚    @256-    ¥528-
  6. 裸端子 丸型 R8-5  8ケ(エレメント圧入なので確認必須) @12-   ¥96-
  7. 裸端子 丸型 R2-5/4 8ケ(圧着又は半田付け)       @8-     ¥64-  
  8. 4mm6角ネジナット 8ケ(アクリル厚さで変わります)   @30-   ¥240-
  9. 3mm鍋ネジナット  28ケ  (L=18mm)        @11-   ¥308-
  10. 3.5mmワッシャ   20ケ                  @2-    ¥40-
  11. 2mm単線      100cm (VFF線 流用)      @21-   ¥21-
  12. 両サドル VP13-18 4ケ(水道用部品)            @51-   ¥204-
  13. 中継用VEP VF14J  3ケ(アンテナ固定 Qマッチ)           @38-    ¥114-
  14. アンテナブーム VET14J2(2m品カット 増築可能)    @168-  ¥168-
  15. T分岐ホルダー VET-16J 3ケ(2ケはVF14J 加工必要)   @158-   ¥474-      
  16. スタックパイプ VE-22-J2(2m品カット残りはマスト用)     @218-   ¥218-
  17. エレメント固定サドル S14 10ケ(導波器固定用)     @22-    ¥220-
  18. 絶縁キャップ LPTIC-8-黒 14ケ(エレメント端末処理)  @5-    ¥70-
  19. ビニールテープ(キャップの樹脂のコスタダウン)         @70-    ¥70-

部品代の合計金額は6,593円でした。メーカー製の10ELスタックが35,000円位です。1/5の出費で7ELのスタックが出来ました。1.7mのプラポールもついています。準備するのは給電のケーブルと無線機だけです。10ELにしても8000円は超えないでしょう。

工賃は入っていませんのであしからず。尚掲示単価は参考値です。ホームセンター単価なので全国どこへ行っても大差ないと思います。

Mコネクターなどは秋葉原や通販などではもっと安く入手できると思われます。

小物部品はまとめ買いすると安くなりますので、友人とシェアするのもGoodですね。

さらなる欲望

ラジェーターUnitがあれば、導波器エレメントを量産すると多素子アンテナも自由自在です。ただしブームが電工用のPVパイプ(VE-14J2)です。夏場には暑さで変形します10エレが限度でしょう。
ラジェーターユニット以外のエレメント間隔は自由にスライドできますので、実戦で最適値を見つけ出しタッピングビスで固定してください。

悪のりで作った八木アンテナ17ELスタック

ブームの中には変形防止の為にアルミパイプが入っているのですが、やっぱり変形しますね。
これが限度でしょう、担ぎ上げは拷問に違いです。
この長さでは変形しません。ホームメードとしては及第点ですね

是非!自作のHB9CVを製作してください。

HB9CVアンテナ製作記事は(第3、4、5弾)に関連記事を記載中!!

次のアンテナはスイスクワッドかな?どうもスイスから逃げられそうもありません。 第 8,9弾と続きますご期待ください。