無線テクニカル工房(リチウムイオン電池で無線機を駆動)

無線テクニカル工房(リチウムイオン電池で無線機を駆動)

一昔前はニッケル水素電池が充電電池の主流でした、しかしPCやスマホなど大電力のポータブル機器はリチウムイオン(Li-ion)電池を採用しニッケル水素電池は駆逐されてしまいました。

市場にはLi-ion電池を使ったアクセサリー機器が数1000円で出回りジャンクも流通市場に出回っています。これらを使って無線機の電源に流用したいと考え製作いたしました。

ハンディトランシーバー1W用バッテリーPack

使わなくなったノート用HDの外付け用ケース流用してハンディトランシーバーの外部電源としました。スマホ用の外付け用のLi-ion電池3000mAhを2ケシリーズに接続(幸いに電池は保護回路付きでした)7.4Vとする(最大充電電圧8.4V)
それにアマゾンで購入(260円)の2線Typeの電圧計を接続(電圧計の消費電力を抑える為SWがついています)
充電器は5VのSWレギュレーターを8.4Vに改造して使用。バッテリーPackをトランシーバーと充電器に差し替えるだけです。(充電器の改造は電圧制御の抵抗を変更して改造してください。最悪は9VのSW電源にダイオードをシリーズに向きを間違えないように接続する奥の手もあります)充電器の端子はハンディトランシーバーと同じジャックが取り付けられ、差し替えでトランシーバー使用と充電ができるよう対応する。(リニアTypeのげんこつ型はレギュレーションが悪く、12Vと表記しても無負荷では18V程度出力されますので、リチウム電池の充電電源には使用できません)
HDケース加工はUSBソケットの角穴を広げて7segLED電圧表示の窓加工、HDケースに付属のLEDの穴を広げて電圧表示OffのSW追加、最後に電源の出力ケーブルを引き出しハンディトランシーバーに勘合するDCプラグコード取り付ける穴の加工で終了です。
7segのLEDは樹脂の上下をすこしヤスリがけし、金属ケースに挟んで接着剤で仮固定。前に加工した樹脂の蓋で挟み込みます。
配線はSWと2線式電圧計をシリーズに取り付けたものに、2ケシリーズ(2S)に配線したLi-ion電池パックに出力ケーブルとパラ接続とする簡単な配線です。1W使用のでのラグチューで5時間以上の使用に耐えました。電圧が6Vになると保護回路が働き出力電圧がOffになります。
使われたリチウムイオン電池(ポリマーType)
  • スマホのバックUPに使われた3.8Vのポリマー電池 これを2Sで使用
HDケースに入ったハンディ用の外付けバッテリーパック
  • 満充電電圧少し高目ですね。
  注意!ハンディの内臓電池の入った状態での外付けバッテリーの使用はお避け下さい

これが出来ればハンディ機を持って山にいこう!

10W機の電源にトライ

10Wの出力となると3Aは必要です。1W機で使用したポリマーのソフトパッケージTypeでは、多セル構造にした場合温度対策で不安が残ります。
上充電器、右と下は13V電池Pack(中には18650 2P4Sと4P4S)
困ったときのハードオフ。同一メーカーのPCの電池をばらして2P4S(18650のCan Typeの8本使い)
3.8V×4Sを並列使用で15.2Vこれをパラに使う。(13.8Vの5A)69Wですので消費電力が10W出力時、約20Wとして運用3.5時間 大丈夫ですね。(バラさなくても17VのPC Batteryであればそのまま使えます)これは保護回路がついていますので安心です。
電池の解体はPC電池ケースから電池がショートしないよう、TABに十分注意(金属電極の配線ショート)して取り外し。1S4P又は2P2Sの形で絶縁テープ(難燃性)で成形します。最終的に2P4Sの構成として17V5Aの電池を作成し降圧の安定化電源回路で13Vを確保する方法

電圧調整の確認

アダプターの電圧設定用と思われる抵抗値に100kΩ~200kΩの抵抗を割りばしの先端に接着剤で固定する。目指した抵抗にパラって出力電圧の変化を抵抗で確認して必要な電圧を設定する。

  • 細かな作業です。拡大鏡(老眼鏡)は必須アイテムです。
電源の安定度が悪い場合制御回路の補強が必要になる場合があります。電池Unitには電圧計と電流計があると便利です。
電源のモニターが電圧/電流が読み取れるとアクシデントの対応がスムーズです。
充電用の端子と放電用の端子が2系統あります。(4P4SのUnit)

ここまでくると難易度がグッと上がります。無理なことをしないでもPCの電池を降圧レギュレーターで13Vに下げる方法もあります。この場合PCの電池は16V以上のものを使用すること

 

降圧型制御基板(XL4015E1) 300円程度で買えるんですよね
2A以上流すためにはICの放熱器が必要です。基板裏側からケースシャーシに放熱させると3Aの出力は可能です
基板裏はパターンがあるのでポリアミドテープなどで絶縁してください
電圧調整のVRを付けると3VからPCバッテリー電圧の近くまで可変が可能です
放熱器側の青いVRを外し10回転のディディントVRを取り付け
電圧計を付けるとポータブルのDC電源として実験用に使えます非常に便利です。
  • VRで電圧を任意に調整することが出来ます。
充電器はPCのアダプターをそのまま流用します。腕に自信のある方は市販のアダプターを改造するチャレンジも経験してください。何事も経験です。
SWレギュレーター電源を無線機に使用した場合VHFやUHFであればSWノイズの影響は感じられませんでした。できれば降圧型のリニアレギュレーターがお勧めです。

敷居の高いLi-ion電池もたくさん流通されています恐がらずどんどん使っていきましょう