デュプレクサの製作

デュプレクサの製作

アンテナの接続が面倒!!ケーブルが何本も「あなた!! 無線家でしょう。なんでこんなに線が?」と嫌味を言われっぱなし。無線機周りをスマートにしましょう。

最近のマルチバンド トランシーバーはコネクターのUHFとVHF共用が増えています。しかし、モービル機以外は、UHFとVHF又はHFと個別のアンテナになると分波しなければなりません。

今回はHF・VHFとUHFにセパレートするデユプレクサの製作です。アンテナへの分配も可能ですが、VHFとUHFの共用アンテナからの同軸を1本で済ませて、UHFとVHFを個別のトランシーバーを駆動させることもできます。アンテナ切り替え器と同様に複数の無線機に接続するのには大変便利な分波器です。

Rig周辺のSWR計などが周波数により接続が複数にならず、デユプレクサを接続すると配線がすっきりします。

デユプレクサは入出力の方向性が無いので分波も混合もできる 優れものです。

前回投稿した記事と重複するところがありますが製作のポイントを紹介します。                      無線テクニカル工房(アンテナ製作430MHz17EL✕2 他)

組立

前加工

  1. ケースはTakachi MB4-5-3 小型のものを使用した。M接栓はねじ止めType、同軸の引出し部のコードブッシングはテストピンジャック端子を解体して流用
  2. 緑色のコネクターは144MHz、黄色いコネクターは430MHzに分波させる、基板は蛇の目基板でも大丈夫。コイルは0.8mmの線を手巻きします。中に入れるシールド版は長方形0.2mm t厚の銅板を中央にコネクターのメスが入るように加工、ケース内側へコの字に曲げたシールド板に、基板と同軸被覆線と半田付け。

1.ケースの加工

① Takachi 製 MB4-5-3(W35H25D45)程度の大きさの金属ケース長手方向中央に16φの穴を開ける。⇒Mコネクターのメス(ネジ止めType)を取り付穴(ケースとシールド銅板)にを取り付ける
② 反対側にテストピンジャック(MK-617-1)秋月コード C-07078 を改造して ケースにVHF出力とUHF出力の7.0φの穴を2ケ開ける。⇒テストピンジャックは同軸ケーブル3D2V(5mm)のブッシングとして使う為、ネジ部を残して半田端子側は切断し5mmのキリで5mmの通し穴を作る

同軸加工

一般的な同軸加工を行うが、出来れば同軸被覆の色はグレーと黒に色分けしたほうが後々 便利です。繋ぎ間違いで電波が出ない!が何度かありました。長さは用途に合わせる。(30cmくらいが使いやすい)

シールド板加工

0.2mmtの銅板を20mm×109mmの長さに加工して中央に16φの穴を開けコの字型に加工する。部品取り付け済の基板外周り、Mコネクターアースと、同軸被覆を半田付けする。

組み立て写真

蛇の目基坂使用 430MHzで使う根性は見上げたものです。

 

基板加工

今回は蛇の目基坂で基板加工、430MHzを穴あき基板で作る、いかにもアマチュア的で何でもありですね。

コンデンサーは基板の外側に寄せて取り付ける。コイルは144MHzと430MHzが干渉しないように、できるだけ平行又は直行しないように取り付ける。
使う部品は 8.2pF×3 18pF×2 5.6pF×1 と433MHzのハイパスコイル(緑)2ケと144MHzのローパスコイル(青)3ケとシンプル。取付はシールドに詰め込んだ銅板に基板周辺を半田付けで固定しました。

最終処理

Mコネクターは銅板と取り付けネジとコネクターネジ部にしっかり半田付けしてください。出力のブッシングは同軸を通した後に、結束バンドでしっかりと固定して抜けないようにて、半田付け加工後接着剤で補強します。

性能測定

組上げ調整はトラッキングジェネレーター付きのスペアナでフィルター特性を確認します。
  (黄色)433MHzハイパス特性    (赤色)144MHzのローパス特性
調整なしで144MHzと433MHzのセパレートは十分確保できました。スペアナが無い場合は NanoVNAでも確認は可能です
ピークホールドが無いので一回毎に、繋ぎなおして測定する。
144MHzのローパス特性
430MHzのハイパス特性もバッチリ確認できます

高い測定器が無くても同じような特性が確認できました。できるな!NanoVNA

手作りのデユプレクサでも50W程度であれば十分使い物になります。単純計算ではきちんとアンテナが整合されていれば、端子電圧は50V程度です。ぎりぎり50Vのコンデンサー耐圧でOKですね。
デユプレクサを入れることにより、ANTのSWRは433MHzで1:1.3程度に変わります。フィルターの入出力インピーダンスにより若干変化します、144MHz1:1.2以下で変化有りませんでした。
SWRが大きい場合は出力側に50ΩのダミーロードをLow BandとHigh Bandに接続してデユプレクサのSWRを測定。これでSWRが1:1.3以上ならアンテナと同軸に問題がありそうです。
NanoVNAでデユプレクサの各周波数のスミスチャートを確認して、ローパスフィルターとハイパスフィルターの再調整です。

SWRはとりあえずNanoVNAで測定

145MHzのSWRは 1:1.07 でまずまずですね。
433Mは1:1.22と少し悪くなっています
中継に使ったMP-MPの中継コネクターが433MHzでは影響しています。1:1.5未満です良しとしましょう。
中継に使ったMP-MP 中継コネクター
どうしてもSWRが 1:1.5以下にならないときは、バンドパスフィルターの無線機側のコイルとコンデンサーを調整してスミスチャートの中央、50Ωへ引き込む。調整後はフィルターのバンドパス特性を再確認してください
調整は下記の記事を参考にしてください。
Nano VNA 活用 (Mr.Smithを使う )
簡単に作れて部品代も昼食代で済むぐらいです。ぜひ手作りしてください。

最近の昼食代って500円?1000円?インフレで微妙な単価設定になってきましたね。メインコストはコネクターでしょう。