NanoVNAで電波を見よう

NanoVNAで電波を見よう

NanoVNAはアンテナ製作のツールとお思いの皆さま。(私もそうでした)しかしブツはネットワークアナライザーです。フィルター測定やスペアナ替わりに使えます。あの重たいSGやスペアナから解放されます。

だだし精度はそこそこなので、目安として使うのであれば簡便なテスタ代わりとして使ってください、発振回路のチェックなどは有効です。

NanoVNAで水晶発振回路のチェック

赤外線リモコンの電池切れをチェックするのに、デジカメなどを使ってリモコンの光を可視化することにより「電池はまだある」などと納得したことを思い出しました。

しかしキーレスリモコン等は無線電波が主体なので、電池の残量の確認はケースを外しテスターで電圧を計るという面倒なことになります。

ではキーレスリモコンの電波はNanoVNAで検出できるか!! 残念!ながら微弱な電波は、電波法で1秒以上連続電波は出せないので、ピークホールドの機能がないとなかなか見つけ出せません、しかしNanoVNAでも気長にチャレンジば見つかります。受信機の局発やXtal発振回路などの発振周波数を確認をするのは簡単に見つけ出すことが出来ます。

又 フィルタの特性はネットアナライザーの得意とするところでCh0とCh1にケーブルをつないでLOGMAG設定してやればきれいなカーブかかけます.

感の良い人はフィルタと言う言葉でピンときますね。そうですSGにもなるのです、 受信機チェックなどで簡単な発振器(SGまでは無理ですが)として活躍します。

本来のベクトルネットワークアナライザーの神髄であるスミスチャートがトレースでき高周波の回路設計ができる優れものです。高周波の学習ツールとしても十分価値があります。1万円以下! 今世紀最大のコスパNo1です。

NanoVNAで高周波の回路設計(スミスチャートを使おう)

VNAなんちゃってスペアナ

SGから-60dBmの信号を入力するとCh1に波形が見られます。スペアナと違って分解能が悪いのできれいなトレースは無理です、Ch0の出力は高調波のスプリアスを信号源としても使っていますので、SG(標準信号発生器)としては無理があります。スペアナとして使うにはSweep時間や分解能が、のんびり屋さんとサボり屋さんなので、送信機のスプリアス等は取りこぼしが多すぎ見ることはできないと思います、推定される周波数をセンターにスパンを設定して探し出す事は可能です。スパン周波数は1MHz以下ですときれいに見れません。
Ch1設定は LOGMAGとする、145MHzの信号が確認できました。

間違っても無線機に直接つないでNanoVNAを壊さないように。お遊びは自己責任で

受信機の局発をチェックするには簡単はピックアップを作って発振回路の周辺を捜す

虫眼鏡のようなループアンテナであれば無線機に直接接続して使わないので大丈夫でしょう。結合のインピーダンス整合も必要ないので、基板の発振回路にループを接近させるだけ。回路に接続させて発振が止まることはありません。

 

ちっちゃなループアンテナです Ch1に接続してスケールはLOGMAG

FM受信機の局部発信周波数の確認

スペアナよりスィープがゆっくりなので検討つけてからの測定が必須です。Spanを広げすぎると取りこぼします、狭いとPeekが2ケ出てしまいます。(Spanは1MHz程度が見やすい)
Span1MHzの受信Unitの局部発振出力波形
局部発振周波数が304.374MHzと確認できました

スパンが狭いとこんな波形が

200kHzでスパンではVNAのイメージですかね?
周波数の確認は1MHz程度のスパンがベストです。

リモコンの波形を見てみよう

早速製作したループアンテナで電波を見てみましょう。一般的にキーレスリモコンは300MHz~400MHz付近です。NanoVNAにはピークホールドの機能がなかったと思いますので、気長にリモコンを押し続けるとそのうちにFSK信号(2本の角がある波形)がNanoVNAの画面に見えます。ASKの場合は角が1本です。
さて見えるかな?・・・・ちゃんと波形が見れる!!\(^_^)/

 

昔仕事で製作したFSKのリモコンちゃんと波形が確認できました。  スパンは1MHzですのでイメージではないでしょう。
スペアナで測定すると波形はきれいに確認できます。
さすがスペアナSpan設定500kHz以下でもきれいに見えます

  目安として使う分にはじゅうぶんです?何せアマチュアですから。

フィルタの測定も便利だよ

ローパス/ハイパス/バンドパスもちゃんと計れます。Ch1のスケール単位はLOGMAG設定(Ch0とCh1の間にフィルタやバンドパスフィルターを挿入)
デユープレクサー(144MHz/430MHz)のローパス特性とハイパス特性 -40dB程度落とし込んでいます(手作りのフィルターなので波形が汚い?)
NanVNAの(144MHz側)ローパス特性の波形
 430MHz のHighパスHighパス特性もトレースできます
NanoVNA(430MHz側)波形入力が1Chしかないので、Ch1をデユープレクサのLowの出力とHighの出力を繋ぎ替え、2回測定することになります。

フィルター特性は十分実用になる波形がトレースできます。SG付きのスペアナと特性は遜色ありません。

上のNanoVNAの2つの波形を合わせるとほぼ同一のトレースです。

バンドパスフィルターもちゃんと計れます!!

144MHzのバンドパスフィルターの特性
スプリアスの多い無線機やパワーアンプでもこのフィルターを入れればバッチリです。

これらのフィルターの作り方は下記のサイトに記載(デユープレクサー製作と新スプリアス規制)参照

無線テクニカル工房(アンテナ製作430MHz17EL✕2 他)

SGにも!!

調子に乗ってCh0端子の出力を見る。(-10dBm程度の出力が出ている)これって電波法違反?
!!?NanVNAは高い周波数は高調波を利用しているのだ!これを正規に商品化したらスプリアスNGですよね。
 この高調波,これはひどい!!SG替わりは無理ですマーカー程度と考えてください
145MHz出力で×2×4×8の高調波が・・・子だくさんですね

何か恐ろしいものを見たような気がします。見なかった事にしておきましょう

-10dbmは100μWですこれをANTにつないでSWRを計っていたのです。ローカル局に迷惑をかけていたんでしょうね。
どうしてもCh0の出力を使いたい方はアッテネーターを準備して使用しましょう
全部つなぐと30.2dBのアッテネーターこれなら大丈夫?

Ch0の出力は要注意です!!

まだまだ使える面白グッツ

高周波の電磁界ピックアップは放射電界を見る小さな虫眼鏡のようなピックアップと伝導電磁界を見るピックアップがあります。
簡単に説明するとアンテナや回路パターンから放出される不要輻射(放射Niose)と回路パターンやケーブルから誘導される伝導性の不要輻射(伝導Noise)です。

一般的にはVCCIと言う規格で規制されています。これは機器や周辺機器から放出されるスプリアスを3m離れたアンテナで電界強度を測定します。アンテナを回転できないので対象機器をテーブルに乗せ回転させます。(アンテナは上下に移動します)機器Systemの全方向と垂直/水平の偏波をアンテナを切り替えNoiseの測定を行います。

無線サイトでの 測定風景(電波暗室)
無線サイトでログぺリANTやバイコニカルANTを使い、水平/垂直にして電界強度測定する
電波暗室の外にある計測器類
上段2台 RF Power Amp 中央アンテナローター 下はメジャーリングレシーバーその下はスペクトラムアナライザー
測定器で高級車が沢山買えます。サイトのシールドルームは-70~80dB必要でしょう
こんなDataが取れます
対周波数での不要輻射を1GHz迄確認(問題ないですね)
放射パターンも見れます(指向性)   (放射角度)
ここまで測定できればアマチュアでなくてプロですね。

アマチュア無線家はアマチュアの範疇でNanoVNAを楽しく使って遊びましょう。

そのほかにACラインや通信ケーブルに漏れ出すNoiseは、疑似回路網(Lisnと呼ばれているネットワークフィルター)や誘導カプラーを経由して測定します。
放射Noiseはアンテナなどから放射するスプリアスをとらえるので、イメージはわかりますが伝導性の不要輻射はなじみが少ないと思います。簡単に説明するとスイッチング電源のノイズが電源側に流れ出して、それに接続された機器が誤動作したり、LANケーブルにつながるPCや周辺機器のNoiseが漏れ出して、お互いに誤動作を引き起こすという事故です。これを総称してEMIと言う妨害になります。

伝導性の不具合は無線家の方はSWRと言う単語が聞き馴染んでいると思います。このSWRが悪化するとアンテナから不要輻射のNoiseが発生します。また最近は無線機をPCで動かす方も多くなってます。これらの周辺機器/無線機本体/PC間の通信も整合が取れていないと異常動作を引き起こします。

これらの誘導性の電波を可視化するのが伝導性ピックアップです。
SWレギュレータの安定化電源を使うと受信機にNoiseが発生する事故。これはANTから入り込むかACラインから入り込むかをピックアップで確認することが出来ます。
作り方は http://nobuyuki-lab.com/2020/01/21/post-870/のコモンモード撃墜を参考に

手作りのピックアップ

大型の洗濯ばさみの中に パッチンコアを入れたピックアップ
高周波用の分割コアに銅箔を巻き付ける 内側とコアの重なる部分には巻き付けない

 

同軸の芯線を網線をコアの中心を通して25Ωで短絡。コアの端面に抵抗の両端と同軸ケーブルを端面銅箔部に半田付けする

接続回路のイメージ

1.5D2Vの芯線と被覆に25Ω接続、コアの端面に芯線と被覆が接続  コアの被覆に誘起された高周波を検出します

Ch1の端子を活用しましょう

すでに周知と思いますが、Ch1は入力Portです。これを有効活用するためにスペアナもどきの機能をご紹介いたします。前記紹介の様にスペアナまでの能力はありません。SeepTimeや分解能は、極めて甘い設定です。

Ch1の設定

DISPLAYからTRACEでCH1を選定→〔CH1設定〕→FORMATからLOGMAG選定

周波数の設定

BACKからSTIMULUS選定→CENTERから観測する周波数を打ち込み→SPANで帯域幅選定(1MHz以上)

目盛りの設定

BACKからDISPLAY選定→SCALE選定してSCALE/DEVとREFRENCE POSITIONを設定して見やすい状態にする。
スケールを見やすくして定在波の確認

この状態で同軸ケーブルに発生する定在波を確認

同軸に無線機を接続して、LOW Powerの出力で終端LoadとOpenで前期の手作りピックアップで確認するとLoadはピックアップの出力の変化は少ないがOpenでは大きく定在波が立っているのが確認できる。
定在波が立ち波形の変化が場所によって大きく変化する

無線機の電源にスイッチングレギュレーターTypeの高出力電源が安価に販売されています。小型で使いやすいのですがNoiseがと心配される方はこのピックアップを使って、電源フィルタの改善をすることが出来ます。

SWレギュレーターのNoiseは数100kHzから数100Mhzに及ぶことがあります。AC入力のLとNのラインにクリップを挟み込み気長にNoiseを見つけ出し伝導性(雑音端子電圧)のNoiseの改善することも可能でしょう。

昔にテストラボで測定した雑音端子のNoise分布

トランスTypeの電源から出ているAC側の端子にはNoiseなし

 

SWレギュレーター電源からラインに出るNoise

スペアナと手作りピックアップで見たACラインの伝導ノイズ(雑音端子電圧)は簡易的にNoiseを確認できます。

以前測定した とんでもない電源のNoise状況

 疑似ネットワーク回路網(LISN)が無いと正確な値ではない。目安にはなります。

NanoVNAではちょっと厳しいかも。

回路設計でよく聞くCut&TRY。 結果オーライで今ひとつ腑に落ちない、でもNanVNAを使えば共振回路やフィルターの設計など納得できる測定器のツールとしても使えます。NanoVNAはRF回路のテスターです
関連サイト

Nano VNA は何が見える NanoVNA活用

NanoVNAにあるSmithチャートを使う

スミスチャートはNanoVNAで見たユーザーは多いと思いますが、なんだこれ??で終わっていませんか?スミスチャートは高周波の回路設計のツールです。ここでは紹介しきれないので下記に関連リンクを添付しました、興味のある方はご覧ください。

NanoVNAで高周波の回路設計

NanoVNAでCL測定

面白いツールですのでいろいろ工夫して使いこなしてください。