ハンディトランシーバーのPower UP
- 2025.05.12
- EHL工作室

何とかと煙は高いところへ上がると言われますが、アマチュア無線家も例外にもれず高いところに上がります。
近年 移動用の無線機も高性能になり小さなボデイで5Wも当たり前です。しかし今までHiレンジのPower設定で運用して火傷やRF PowerTRやパワーモジュールを壊す事が多々ありました。
そんな状況なのでハンディトランシーバーを1W以下で送信してPowerアンプで10Wへ。壊れても修理の容易な構成として運用していました。
右上 10WPower Amp 右下 Li-ion Battery 左 430MHz/1.2GHz C620 ハンディトランシーバー
これだとハンディトランシーバーは0.3W-2W運用ですので発熱もなく安心です。 しかし後期高齢者にとっての登山は追加したBatteryとPower Amp が肩に(>_<)‼腰に(>_<)‼
何とか本体だけで済まないか?と、ハンディトランシーバーの改造
この筺体で10Wは無理?
スタンダード製のハンディトランシーバー C620の取説を見ると 430MHzではPowerUPが出来そうですね

1.2GHzは6WとありますがM57787のスペックを見ると7.2V1.5Wとなっています。電圧制限して出力を1Wに絞っている可能性が有ります。
移動運用での1.2GHzは規定で1W以上は出せないのでここは我慢。😭
430MHzのPowerUPを計画しましょう。使っているPower モジュールのスペック表を見ると
16Vで10W(*^▽^) Maximum Ratingです25℃条件。これを超えるとPowerモジュールが破損します。
定格は Min 7Wですので12.5V以下でPowerモジュールの発熱を下げればPowerアンプは必要ありません。発熱を抑えれば7W以上のPowerUPは可能です。
筺体の温度を下げる
ハンディトランシーバーには本体の裏に取り付け用のクリップが付いています。これを取外して本体冷却用のヒートシンクを取り付ける
5W程度のハンディトランシーバーは金属筺体背面部に高周波のパワーモジュールが放熱を兼ねて取り付けられています。放熱効果の効きそうな部分にヒートシンクを付ければPowerUPも可能です。

Powerトランジスターの放熱器


放熱用のグリスちょっと少なかったかな?たっぷり付けましょう

試験はHighPower運用なので、3000mAhのポリマーLi-ionBatteryの2P3Sで65Wの電源

何Vで何W?

VCC(供給電圧)に対して出力効率は14V迄上昇していますので、供給電圧を上げると出力はドンドン上がりますが供給電力13.8Vで1.65A(入力電力=22.8W)×出力効率分40%(9.1W)が出力です。22.8W-9.1W(約13.7W)が発熱します。放熱をする事で安全にPower UPすることが可能になります。
最小電池構成
さすが5W以上になると付属のBatteryではあっという間に電池が無くなります。外付けのBattryが必要ですね。電池の容量は送信出力の2倍必要です。2時間運用を考えると15Wh(12V1300mAh)くらいはほしいですね。当然電池の電圧が低下すると出力も低下します。
実際に使う電池は18650(3000mAh)のLi-ion Battery を3s 10.8V×3A=33Wとなり送信出力は6W。その時の消費電力はおよそ40%のRF出力の効率として15Wが必要です。よって33W÷15W=2.2時間の運用が可能です。 (送信受信が50%/50%とすれば4.4時間 OK)
出力測定
Low Power

Mid Power

High Power

供給電圧が高くなった為、引き攣られてPowerがUPしたのかな?
冷却強化は効果絶大
7W連続送信で本体と放熱器がほんのり暖かくなる程度で火傷する程度までは上昇しません。ちなみに13.8V印加電圧で8W迄UPしました。
7Wと10Wでは1.5dB程度の利得差です。八木アンテナのアンテナ利得を考えると使えばゴミみたいなものです。
送信時の発熱は 長時間の送信をすると”あっちっち”になりましたが、今度は大丈夫でしょう。
放熱器がどのくらい仕事をしてくれるか楽しみです。

リュックサックの荷物も軽くなったので次の移動登山が楽しみです。
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