144MHz HB9CV 4EL ブラシアップ(アンテナ製作 第3弾)
- 2020.08.04
- EHL工作室

ブラシアップ作戦の3回目今回はHB9CVです。位相反転の給電方法での小素子構成で多素子八木と同等な性能。これをNanoVNAで再調整を致しました。
以前作ったHB9CVはSWR計とアンテナシュミレ―タ―だけで作成。得意のやっつけ仕事で何とか使っていましたが、実際の状態はどの様なのか不明でした。改善すべきところは中国製のツール(NanoVNA)に頼っても、アマチュア根性を発揮して改良したいと考えました。(4ELHB9CVの記事と重複しますが我慢してお読みください)無線テクニカル工房(アンテナ製作HB9CV 144MHz)
基本構成
エレメント長さ間隔(旧)
- 反射器 1030mm (反射器–235mm-輻射器)
- 輻射器 960mm (輻射器-215mm-導波器1)
- 導波器1 890mm (導波器1-230mm-導波器2)
- 導波器 2 835mm
エレメント太さ(旧)
- 反射器/輻射器 φ10mm
- 導波器 1・2 φ9mm (エレメントクランプがゆるいのでφ10で2重にしました)
- 導波器エレメントクランプ φ10クランプホルダー(導波器のエレメント固定はTVANTの廃材、エレメントホルダー流用)
位相給電部(旧)
- 位相給電クロスバー 260mm ×2 電気工事配線(両端子圧着丸端子)
- クロスバー間隔 70mm 中央部でクロスする アイキャッチ映像から少し変更
位相給電部基台
- 導波器と反射器固定はVE-14J2の電工用隠蔽パイプ(白)にVP13φ18 1号VPホルダー両固定(グレー色 )を挟みこみ4×18mmのねじで5mm厚のアクリル板を取り付けてあります。
- 四角にカット(80mm×60mm)したアクリル板にはエレメントと同軸コネクター(メス)を取り付ける。(エレメント寸法表参照)
- 輻射器と反射器はTVアンテナのホルダーを1/2にカット、2か所に穴開け3×22mmのねじ4本で固定、クロスバーの圧着端子とサンドイッチ構造。
- 給電部は16φ9mmのリングコアに 1.5D2Vの同軸を2T巻き込みエレメントとコネクターに半田付けの強制バランで整合


ブーム固定
水平/垂直偏波が可能で回転します

VE-14J2の電工用隠蔽パイプ(白)17φにVET-16JのT分岐パイプを圧入 VET-16JにインナーパイプPVF-14HIを中継ぎに使います。
とりあえず完成

NanoVNAの登場です。
地上からできるだけ高く上げたHB9CHの給電部のインピーダンス状態をNanoVNAで測定。VNAを長い同軸で校正をするか、脚立で登って測定するか。大変だー😭
適当に上げた初期アンテナの給電部スミスチャート
Fo 145MHz Span 20MHzのスミスチャート

マーカーが -jにいます。これでは?と言う事で反射器側にヘアピンループを付けた状態(L成分をパラに接続)SWR 1:1.46で右周りに上がってきました、もっともっと頑張ってみましょう。(なんとか人に見せられるような特性になってきましたが!)

NanoVNAde確認
Fo 145MHz Span 20MHz

さらなる調整
SWRを下げるのはアドミタンスサークル上を右下にずらし、インピ―ダンスサークル上で左上に、調整する方法でTRY。
反射器のヘアピンループを外しアドミタンス上のチャート(NanoVNAには表示されない)-jに引き込み(下に回す )、輻射器と反射器の間隔を広げ直列のクロスバーのL成分を増やしインピーダンスチャート上で+jに呼び込んで50Ωへ変換(上に回す)
エレメント長さ間隔再検討(間隔)
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反射器 1030mm⇒1000mm (反射器-235mm⇒260mm-輻射器)取付変更
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輻射器 960mm⇒ 950mm (輻射器-215mm-導波器1)
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導波器1 890mm (導波器1-230mm-導波器2)
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導波器 2 835mm
反射器を180°反転して反射器と輻射器の間隔を1/8λと長くして反射器と輻射器のエレメントを少し短くする。位相給電のクロスバーは260mmから300mmへ伸ばした。反射器と輻射器の間隔は1/8λ(260mm)
構想では NanoVNAの指示値 65.7Ω-71.3pF(65.7-j15.4)から50Ωへ(ー71.3pFは1/ωC=j15.4)

再調整終了!さて理論とうりになるか?NanoVNAで測定
ヘアピンループを外した影響ではショート領域(左下に寄せ過ぎました。アドミタンス領域を大きく振られています)従来よりほんの少し短くしたヘアピンループ(24cm)を再度取り付け補正後の値では中央に寄せられました。そこそこの値です。

Fo 145MHz でSpanを30MHz迄広げました

SWRは1:1.2以内です。短くしたヘアピンループの取り付け位置は初期状態(反射器側に取り付けです)
反射器と輻射器の間隔は長くなりました。反射器のブーム取付を反転しましたので、エレメント間隔は少し長くなりました。タイトル画面(改造前)はエレメントが内側→改造後はブームの端面)
改造前

クロスバーが大きくなりました、ヘアピンループ追加しましょう

最終的な給電部の形

クロスバーのL成分は少し大きくなり(260mm→300mm)、エレメント長さ(反射器と輻射器)は少し短くなりました。反射器につけた へピンループは24cmとコンパクトに組みあがり、ブーム全長は70cm以下これ以上は短くならないでしょう。
これだけ小さいサイズであれば 4EL×2もあります。同じものをコピーすればいいんです。 144MHz HB9CV 4EL スタック(アンテナ製作 第4弾)
移動運用が楽しみです。
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