144MHz HB9CV 4EL(アンテナ製作 第3弾)

144MHz  HB9CV 4EL(アンテナ製作 第3弾)

ブラシアップ作戦の3回目今回はHB9CVです。位相反転の給電方法での小素子構成で多素子八木と同等な性能。これをNanoVNAで再調整を致しました。

以前作ったHB9CVはSWR計とアンテナシュミレ―タ―だけで作成。得意のやっつけ仕事で何とか使っていましたが、実際の状態はどの様なのか不明でした。改善すべきところは中国製のツール(NanoVNA)に頼っても、アマチュア根性を発揮して改良したいと考えました。(4ELHB9CVの記事と重複しますが我慢してお読みください)無線テクニカル工房(アンテナ製作HB9CV 144MHz)

基本構成

エレメント長さ間隔(旧)

  1. 反射器  1030mm (反射器235mm-輻射器)
  2. 輻射器   960mm  (輻射器-215mm-導波器1)
  3. 導波器1  890mm  (導波器1-230mm-導波器2)
  4. 導波器 2  835mm

エレメント太さ(旧)

  1. 反射器/輻射器 φ10mm
  2. 導波器 1・2  φ9mm (エレメントクランプがゆるいのでφ10で2重にしました)
  3. 導波器エレメントクランプ φ10クランプホルダー(導波器のエレメント固定はTVANTの廃材、エレメントホルダー流用)

位相給電部(旧)

  1. 位相給電クロスバー 260mm ×2 電気工事配線(両端子圧着丸端子)
  2. クロスバー間隔    70mm 中央部でクロスする アイキャッチ映像から少し変更

位相給電部基台

  1. 導波器と反射器固定はVE-14J2の電工用隠蔽パイプ(白)にVP13φ18 1号VPホルダー両固定(グレー色 )を挟みこみ4×18mmのねじで5mm厚のアクリル板を取り付けてあります。
  2. 四角にカット(80mm×60mm)したアクリル板にはエレメントと同軸コネクター(メス)を取り付ける。(エレメント寸法表参照)
  3. 輻射器と反射器はTVアンテナのホルダーを1/2にカット、2か所に穴開け3×22mmのねじ4本で固定、クロスバーの圧着端子とサンドイッチ構造。
  4. 給電部は16φ9mmのリングコアに 1.5D2Vの同軸を2T巻き込みエレメントとコネクターに半田付けの強制バランで整合
Mコネクターの位置注意、ずらさないと同軸コネクターが〆られません。
同軸ケーブルをリングコアに2T巻き付けエレメントにはんだ付け

ブーム固定

水平/垂直偏波が可能で回転します
ブームクランプ(430MHzANTに組み込んだ例と同じ構造)430MHz HB9CV 5ELスタック ( アンテナ製作 第5弾)
VE-14J2の電工用隠蔽パイプ(白)17φにVET-16JのT分岐パイプを圧入 VET-16JにインナーパイプPVF-14HIを中継ぎに使います。

とりあえず完成

超ナローサイズの登山のお供「HB9CV 4EL」

NanoVNAの登場です。

地上からできるだけ高く上げたHB9CHの給電部のインピーダンス状態をNanoVNAで測定。VNAを長い同軸で校正をするか、脚立で登って測定するか。大変だー😭

適当に上げた初期アンテナの給電部スミスチャート
      Fo  145MHz   Span  20MHzのスミスチャート
こんなもんでHB9CVはよく飛ぶよ!なんて言ってた。SWR1:2.3

マーカーが -jにいます。これでは?と言う事で反射器側にヘアピンループを付けた状態(L成分をパラに接続)SWR 1:1.46で右周りに上がってきました、もっともっと頑張ってみましょう。(なんとか人に見せられるような特性になってきましたが!)

SWR計は1:1.35と表示
NanoVNAde確認
    Fo 145MHz  Span 20MHz
フェライトに巻いたL成分でしょうか?低域が下がっています             145MHzでSWR1:1.46

さらなる調整

SWRを下げるのはアドミタンスサークル上を右下にずらし、インピ―ダンスサークル上で左上に、調整する方法でTRY。

反射器のヘアピンループを外しアドミタンス上のチャート(NanoVNAには表示されない)-jに引き込み(下に回す )、輻射器と反射器の間隔を広げ直列のクロスバーのL成分を増やしインピーダンスチャート上で+jに呼び込んで50Ωへ変換(上に回す)

エレメント長さ間隔再検討(間隔)

  1. 反射器  1030mm⇒1000mm (反射器-235mm⇒260mm-輻射器)取付変更

  2. 輻射器  960mm⇒ 950mm   (輻射器-215mm-導波器1)

  3. 導波器1  890mm        (導波器1-230mm-導波器2)

  4. 導波器 2  835mm

反射器を180°反転して反射器と輻射器の間隔を1/8λと長くして反射器と輻射器のエレメントを少し短くする。位相給電のクロスバーは260mmから300mmへ伸ばした。反射器と輻射器の間隔は1/8λ(260mm

構想では NanoVNAの指示値 65.7Ω-71.3pF(65.7-j15.4)から50Ωへ(ー71.3pFは1/ωC=j15.4)

右下(アドミタンスチャート)⇒左上(インピーダンスチャート)

再調整終了!さて理論とうりになるか?NanoVNAで測定

ヘアピンループを外した影響ではショート領域(左下に寄せ過ぎました。アドミタンス領域を大きく振られています)従来よりほんの少し短くしたヘアピンループ(24cmを再度取り付け補正後の値では中央に寄せられました。そこそこの値です。 

こんなもんでしょう。SWRは1:1.2以下です
Fo 145MHz でSpanを30MHz迄広げました
Span30MHzで低いほうはベタ落ちです。チャートはほぼ真ん中です。

SWRは1:1.2以内です。短くしたヘアピンループの取り付け位置は初期状態(反射器側に取り付けです)

反射器と輻射器の間隔は長くなりました。反射器のブーム取付を反転しましたので、エレメント間隔は少し長くなりました。タイトル画面(改造前)はエレメントが内側→改造後はブームの端面)

                 改造前

当初のアンテナは輻射器と反射器の間隔が狭い。位相給電のクロスも短くなっています。マッチング用のヘアピンループもありません

クロスバーが大きくなりました、ヘアピンループ追加

反射器をひっくり返して輻射器との間隔を広くした
最終的な形

クロスバーのL成分は少し大きくなり(260mm→300mm)、エレメント長さ(反射器と輻射器)は少し短くなりました。反射器につけた へピンループは24cmとコンパクトに組みあがり、ブーム全長は70cm以下これ以上は短くならないでしょう。

これだけ小さいサイズであれば 4EL×2もあります。同じものをコピーすればいいんです。144MHz HB9CV 4EL スタック(アンテナ製作 第4弾)

移動運用が楽しみです。